My Album Of The Year 2022
早いものでもう2023年。今年も自分の中でよく聞いた大好きな作品をご紹介しつつ2022年を振り返りたいと思います。
まず、2022年は個人的には音楽大豊作な1年でした。好きな作品も出たし、何より海外アーティストの来日がコロナ以降、久しぶりに本格化して、来日決定ラッシュでした。ライブも私としてはたくさん行きました。本当に大充実の1年でした。ライブのこともどこかで振り返りたいと思います。
さて、今年は頑張ってランキング形式であげていきたいと思います。明日には順位が変わってそうなこのランキングにさして意味はないですが、楽しんでいただければと思います。
20.LORAINE JAMES『Building Something Beautiful for Me』
ロレイン・ジェイムスの3枚目のアルバムはジュリアス・イーストマンというアーティストの音源を素材として作成されたちょっとしたコンセプトアルバムとなっている。当然この引用に意味はあるだろうが、タイトルにもある通り作品からはそれらはあくまで素材として使っていて、これは自分の作品なんだというのが伝わってくる。
19.LOUIS COLE『Quality Over Opinion』
ロサンゼルスを拠点とする超絶ドラマーにして、シンガーソングライター/プロデューサーと多岐にわたるフィールドで活躍する超人のスタジオアルバムとしては4枚目の作品。今年ライブきっかけに知ったのだが、この人は本当に天才だなと思った。そりゃサンダーキャットも「I Love Louis Cole」って曲作っちゃうわけだ。個人的にはスローなバラードもいいけど、やっぱりこの人はファンキーな曲がたまらないです。
18.CHARLOTTE ADIGÉRY & BOLIS POPUL『TOPICAL DANCER』
ベルギーを拠点に活動するシャーロット・アディジェリーとボリス・パパルのユニット。これまでコラボはしていたが、アルバム作品としてはデビュー作となるそう。テクノやR&Bの要素も多分に含まれたダンスミュージック。
17.700 Bliss『NOTHING TO DECLARE』
ムーア・マザーとDJハラムによるユニットのデビュー作。FRUEで久々にダンスミュージックにまたハマったのですが、これはダンスミュージックでありながら不機嫌でパンキッシュなところがたまらない。
16.Let's Eat Grandma『Two Ribbons』
イギリスのエレポップ・ユニットの3作目。めちゃくちゃポップで踊れる最高のアルバム。ライブで見たい。1曲目の「Happy New Year」は毎年年明けに流すことになりそうなアンセム。2023年もこの曲から私はスタートしました。
15.Ezra Collective『Where I'm Meant To Be』
ジョー・アーモン・ジョーンズも参加するロンドンのジャズバンドの2nd。めっちゃかっこいいし楽しい作品。リズムが多様で、フジロックのヘブンで聞いて踊りたいとずっと思ってます。
14.Angel Olsen『Big Time』
慈愛に満ちた6th。2022年に出た作品の中で朝に聞きたいレコードNo1。ジャケットが本作の雰囲気を的確に表している。太陽のようにオーガニックで温かいサウンドが刺さりました。
13.Whatever The Weather『Whatever The Weather』
ロレイン・ジェイムスの別名義によるアンビエント・ミュージック。ジャケットが表すように少し冷んやりとした質感だが、いつどこで聞いてもすんなり体に入ってくる。アンビエント・ミュージックと書いたがビートも結構あって、FRUEで披露されたステージは僕も行ったのだがすごい体験だった。
12.坂本慎太郎『物語のように』
坂本さんはこれまでちゃんと聞けてなくて、実は「まともがわからない」くらいしかちゃんと聞いたことがなかった(「まともがわからない」は大好きでリピートしまくった)。だから、このアルバム聞いて少し印象が変わった。こんなにも心地よいサウンドを聞かせてくれる人だったとは。もちろんただ心地よいだけじゃなく、リリックの随所には今の世を生きる中での問題意識が見え隠れする。でもそれよりも、この人はこういう音楽が本当に好きなんだろうなと思える作品だし、今年も夏が来たらまた僕はこのレコードを手に取るんだろうなと思う。
11.ARCTIC MONKEYS『THE CAR』
ARCTIC MONKEYSがこんなにも美しい作品を作ることになるとは。バンド7作品目はまるで映画のサウンドトラックのようにエレガントでおそろしく完成度の高い作品となった。本当にアルバムごとに同じサウンドを繰り返さない、今なお進化している恐ろしいバンド。
10.Sofie Royer『Harlequin』
SofieからSofie Royerに名義を変え発表された2nd。とにかくエレガントでポップ。タイトルのハーレクイン(イタリアの即興喜劇 に登場する道化役)も示すとおり、この作品を聞いていると中世のヨーロッパで幸福な時間を過ごしているような気持ちになる。今まさに聞き込んでいる作品です。
9.Luna Li『Duality』
トロントを拠点とする韓国系カナダ人のマルチ・インストゥルメンタリストのデビュー作。2022年で休日にチルしたい時に一番聞いたかもしれない作品。もうずっと聞いていたい。3曲目の「Afterglow」とかは本当に好きでBarry White & Love Unlimited Orchestraを聞いているみたいな気持ちになった。あとから気付いたがBEABADOOBEEやJAY SOMも参加してて客演も豪華。屋外のライブでゆったり聴きたいな。
8.Jockstrap『I Love You Jennifer B』
Black Country, New Roadのジョージア・エラリーも参加するユニットのデビュー作。最初聞いた時は実験的だなという感じだったが、聴けば聞くほど各曲がとんでもなく美しいことに気付き、すっかり虜に。しかもメロディーは実はポップで聴きやすい面もある。様々な要素をバランスよくごちゃ混ぜにして綺麗な絵を仕上げたような作品。
7.七尾旅人『Long Voyage』
室内楽的な編成で綴られた本作は七尾旅人のソングライティングと相性が非常によくて、歌、サウンドとともに刺さりまくった。リリックも2022年の世界を描きながらそっと寄り添ってくれるよう。LP盤出たら絶対手に入れたい。
6.Sorry『AnyWhere but Here』
最初聞いた時は1作目に比べて地味になったかな、なんて思ってた。だけど聴けば聞くほど印象が変わって、本当どの曲もとにかくカッコ良い。ソングライティングも、サウンドの作り方も、分け合うボーカルも完璧。結果的に完璧に思えた1作目より好きになった、これから聴き続けるであろう1枚。
フジロックにラインナップされたことをきっかけに聞きはじまたのですが、おそらく今年一番ハマったバンド。今、自分的にコピーしたいバンドNO1。2本の絡まるギターリフとか格好良いです。このバンドを聞くとこれまで自分が聞いてきたThe Horrors、The Stone Roses、もしかしたらJoy Divissionあたりといったバンドが浮かんでくる。刹那の中にある美しさ、それをライブハウス、クラブといった場所でオーディエンスを分かち合う姿が浮かんでくる。2月の来日公演も楽しみ。
4.The Smile『A Light for Attracting Attention』
こんなトムヨークとジョニーグリーンウッドを待っていた。美しい曲もあればエモーショナルにロックする。このアルバムから感じられるのは自由に音楽を楽しむ二人の姿だ。トム・スキナーのドラムも素晴らしく、レディオヘッドとはまた違うサウンドを作っている。「A Hairdryer」を最初に聞いた時はかっこよくて、思わず声出た。
3.Big Thief『Dragon New Warm Mountain I Believe In You』
エイドリアン・レンカーが、その素晴らしいソロアルバム『Songs』『Instrumentals』を発表してから2年も経たないうちに発表されたバンド5作目。しかも全20曲という大作でありながら、そのどれもが素晴らしい。もはや魔法としか思えない。もはやいつかのビートルズの領域に足を踏み入れていると思う。
2.Beyoncé『RENAISSANCE』
本当、最高。前作『Lemonade』で初めて彼女の凄さに気づいたにわかですが、『Lemonade』は間違えなくその年の僕のフェイバリットだったし、正直これを超える作品は出てこない、これが僕にとっての彼女の最高到達地点なんじゃないかと心のどこかで思っていました。甘かった。そんな考えを持った自分を殴ってやりたい。まさかデトロイト・テクノ、シカゴハウスを参照し、こんなにも踊れるかっこいいアルバムを出すとは。本当、最高。カッコ良すぎる。深夜のクラブで爆音で踊りたい。
1.Black Country, New Road『Ants From Up There』
今回ランキング形式にしたのはこの作品をここで語りたかったからだ。この作品にはバンドのある時の美しい瞬間が刻まれていると思う。そのキラキラした美しいサウンドがどうしようもなく愛おしいのです。これまでボーカルを務めていたアイザックが脱退したというバンドのドラマにも影響されているところもあるとは思う。
ただ、それを抜きにしてもきっとこの作品は僕の中でずっと輝き続けていたはず。アルバムの2曲目「Chaos Space Marine」のたった1度しか訪れないコーラスが始まった瞬間、そのサウンドとともに天にも登る気持ちになる。美しさとエモーションの爆発、ここには僕がポップ、ロックンロールに求めるものがありました。
作品全体としても1作目よりソングライティングに重きが置かれ、それが彼らの美しいサウンドにもハマり、僕のツボを押しまくったのでした。
以上、私のAlbum Of The Year 2022でした。本当素晴らしい作品が多かった!
ランキングに入らなかったけどよかったやつや聴きたいけど全然聴き込めていない作品
が本当たくさんありました。しばらくそれらも聴きながら音楽ライフを楽しみたいと思いますし、そのリストに皆様のAlbum Of The Yearを拝見して私がまだ出会っていない素敵な作品が追加されていくのでしょう。2023年も楽しみです。
<ランキングに入らなかったけどよかった&聴きたいけど全然聴き込めていないやつ>
宇多田ヒカル『BADモード』
Wet Leg『Wet Leg』
Animal Collective『Time Skiffs』
Mitski『Laurel Hell』
Nilüfer Yanya『PAINLESS』
Tomberlin『i don't Know who needs to hear this...』
Sydney Bennett『Broken Hearts Club』
ゆうらん船『 MY REVOLUTION』
春ねむり『春火爆原』
Wu-Lu『LOGGERHEAD』
SUPERORGANISM『World Wide Pop』
black midi『Helfire』
Alex G『God Save the Animals』
Moor Mother『Jazz Codes』
Billy Woods『Aethiopes』
Vieux Farka Touré & Khruangbin『Big Time』
MAKAYA McRAVEN『In These Times』
BETH ORTON『Weater Alive』
Alvvays『Blue Rev』
Sam Gendel『blueblue』
Oren Ambarchi『Shebang』
Theo Parrish『DJ-Kicks:Theo Parrish』
Special Interest『Endure』
PHOENIX『Alpha Zulu』
Lucrecia Dalt『¡Ay!』
Weyes Blood『And In The Darkness,Hearts Aglow』
RM『Indigo』
SALUT『UNTITLED(GOD)』
SALUT『AIIR』
SALUT『11』
SALUT『Earth』
SALUT『Today & Tomorrow』
キセル『寝言の時間』
Crack Cloud『Tough Baby』
BEABADOOBEE『Beatpia』
Steve Lacy『Gemini Rights』
Mitch Davis『The Haunt』
Florist『Florist』