今更2016年マイベストアルバム10
みなさま体調いかがでしょうか。私は1月におよそ2週間インフルエンザで寝込み、その後中毒疹という病を患うという散々な2017年の幕開けとなりました。この1ヶ月で診察券が増えましたよ。。
そんなこんなで2017年も明けてすでに1月過ぎてしまっていますが、2016年の振り返りの意味を込めてマイベストアルバムを書こうと思います。本当今更って感じですが。しかし、こうして年間ベストをまとめることで数年後に2016年が自分にとってどういう時代であったのかを振り返れるようにしておきたい、そんな思いがあって、たとえ今更であろうが記録を残しておきたいと思います。
一応ルールとしては2015年12月1日から2016年11月30日までにリリースされたアルバムを対象としています(2016年12月に発売したものは2017年に対象とします)。理由としては来年は12月中に年間ベストを発表したいと思い、それに間に合うようにするには区切りを11月にするほかないと考えるからです。
それではいきます。Apple Musicのリンクも貼ってあるので気になるものはクリックして聴いてみてくださいね。こうやってすぐに聴けるのはいい時代ですね。
10. Homecomings『SALES OF BROKEN DREAMS』
楽曲、プロダクション、世界観、どれもすごく練られていて2016年よくリピートしました。'PERFECT SOUND FOREVER'なんかは良いメンバーでバンドを組めた時には誰もが感じるようなフィーリングを見事に捉えていて泣いちゃいます。
9. The Last Shadow Puppets『Everything You've Come to Expect』
ポップシーンの中心はすっかりアメリカとなった2016年、イギリスの地はすっかり元気が無くなってしまったようにも見えましたが、このアルバムは一際強い光を放って輝いていました。音楽的参照点が多く非常に豊かな音楽で、聴いてて幸福な気持ちになれる一枚でした。
8. TERRACE MARTIN『Velvet Portraits』
homecomingsもそうだけど、このレコードもあまり年間ベストで見かけなかったのが不思議。ケンドリック・ラマーの『to pimp a butterfly』にも参加したプロデューサーが放つ、ゆったりとしたテンポなんだけど、しっかりグルーブがあるメロウな音楽。グルーブに身を任せて踊るもよし、日常のBGMとして聴いてもよしで、僕はかなりリピートしました。
7. ANOHNI『Hopelessness』
2015年、2016年は腹の立つようなことがたくさんあった。日本でも世界でも。これは怒りのレコード。実際耳が痛くなるような言葉が並べられている。ただし音は非常にポップ。ハドソン・モホークとワンオートリックス・ポイント・ネヴァーの力を借りて作られたサウンドは2016年の最新型のエレクトリックポップである、聴くものをしっかりと惹きつける。多くの人に伝えたい思いがこのレコードにはしっかり刻まれている。
6. A Tribe Called Quest『We Got It from Here ...Thank You 4 Your Service』
ヒップホップ界の生ける伝説による18年ぶりの、そして最後のレコード。誠に恥ずかしい話だが、僕は2016年に初めて彼らの音に触れました。決して新しいサウンドというわけではないが、ジャズ、レゲエ調の曲もありクールでカッコ良かったです。ケンドリック・ラマーやジャック・ホワイトもゲストとして参加していて、多様性を祝福するようなバイブにも心が震えました。
5. The Avalanches『Wildflower』
個人的に2016年最大のニュースの1つがアヴァランチーズの新作、そして来日(結局来なかったけど、と未だに根に持っている)。サウンドも1stとは少し異なるが紛うことなきアヴァランチーズサウンド。僕はLPで買って夏によく聴きました。
4. RADIOHEAD『A MOON SHAPED POOL』
新作としては5年ぶりだが、相変わらず彼がトップランナーであることを示した作品。ジョニー・グリーンウッドが主導したと思われるストリングをふんだんに採用したプロダクションはありそうでなかった新機軸。彼らが未だ進化の過程にいることがわかる。知性が高くて未だ自分の中で整理しきれてないけれど、この分断した世界に決して忘れては行けない問題を突きつける作品だと感じています。
3. Chance The Rapper『Coloring Book』
2016年のベストアーティスト。分断したこの世界の中心で連帯のために奔走したアーティスト。ダフ屋に奪われたチケットをファンのために買い戻し正規の値段で提供するなどの逸話にも感動。『サンディエスタ』を一枚分の値段に設定したクラッシュや「自分たちのホテルを高くするくらいならチケットを安くしたい」と語ったミッシェル・ガン・エレファントを思い出した。きっとこの先も多くのキッズに支持され大きな高みに登るに違いない。音としてもヒップホップとゴスペルをミックスしたようなスタイルをさらに深化させた。
2. Frank Ocean『Blonde』
2016年はブラック・ミュージックがインディシーンと本格的にクロスオーバーした年でもあった。その象徴的な作品。全体的に驚くほど音数が少ないプロダクションにもかかわらず、圧倒的な存在感。それによりフランク・オーシャンの声、言葉、メロディ、そして一音一音が本当に際立っている。1曲目の'Nikes'は個人的に2016年のベストソングの一つ。
1.Beyonce『Lemonade』
何と言ってもアルバムに同封されているビジュアル作品が圧倒的だった。初めて観たときに息を呑んで一気に見てしまった。こんなにも愛に溢れた作品はない。こんなにも悲しみに打ちひしがれている作品はない。こんなにも自分の出目に誇りも持っている作品はない。2016年世界には多くの悲しみが溢れていた。きっとこの先数年は同じくらい、いやもっと多くの悲しみが生まれるかもしれない。でもビヨンセはそれでも立ち上がることができることを教えてくれた。「酸っぱいレモンを与えられても、自分で砂糖を加えて甘いレモネードにすればいい」と。
※この作品は日本のApple Musicでは公開されていないので、ぜひDVDとセットになった作品を購入して聴いてください。
それにしてもこうやって書いて見て、あれが入ってない!ってやつがいっぱいある。SolangeとかAnderson.Paakとかリアーナとか!挙げればきりがない。それくらいやばい年でした、2016年!