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音楽好きサラリーマンによるブログ。最近レコードプレーヤー買ってディグが楽しい。ブログ初心者で拙稿が続きますがよろしくお願いします。twitter:kazuaki0515

ロンドンの有名クラブFabricの営業ライセンス剥奪が悲しくてたまらない

https://www.fabriclondon.com/images/save-fabric/1.jpg

写真出典:Save fabric Nightclub

 

 ロンドンの有名クラブFabricの営業ライセンスの剥奪が9月6日に決定しました。このままではFabricは営業存続不可となり閉鎖することになります。これは音楽業界にとっては大いなる損失だと僕は考えます。

 

Fabricは1999年に営業を開始したロンドンの有名クラブ。リカルド・ヴィラロボスやルチアーノ、フォー・テットといった有名ミュージシャンもプレイし、ロンドンの夜の遊び場の象徴的なクラブでした。FabricといえばMIX CDがとても有名で、テクノやハウスなどの音楽をミックスした『FABRIC』シリーズ、それより少し幅を広げブレイクビーツなどの音楽も撮りいれた『FABRICLIVE』シリーズがあり、ともに89作もの作品がリリースされています。

 

 ことの発端は当クラブ内での薬物関連の事故です。以前から薬物問題で指摘を受けていましたが、18歳の少年2人が当クラブ内で使用した薬物のオーバードーズにより死亡したことをきっかけに、今年の8月より当クラブは営業ライセンスの停止処分を受けて営業できない状態が続いてた。そして9月6日にライセンスの再審査が行われ、ここで営業ライセンスの延長が認められませんでした。海外ではハワイとシンガポールしか行ったことない僕は当然Fabricには行ったことありませんが、このニュースは非常のショックでした。

 

 確かに薬物は大きな問題であり、改善すべきところがあったのかもしれない。ただ薬物の問題は何もFabricだけの問題じゃなく、もっと大きい文化レベルの話ではないかと僕は考えます。Fabricを営業停止にしたところで、この問題は解決しないと思います。

 

 何よりこれまでの音楽の歴史を振り返ってみればFabricのようなナイトクラブで開かれるパーティから新しい音楽、新しいムーブメントが生まれてきました。デトロイト・テクノデリック・メイがシカゴの「ウェアハウス」に通っていなければここまで発展しなかったかもしれない。以前の投稿でも書いたマンチェスターハシエンダがなければストーン・ローゼズは発見されなかったかもしれないし、ハシエンダストーン・ローゼズを見たことで影響を受けたオアシスというバンドは生まれてこなかったかもしれない。少々極端な意見ですが、ナイトクラブがある種の音楽、音楽ムーブメントを生んできた、といいのは紛れもない事実だと思います。そう考えると、Fabricのようなクラブがなくなってしまうのはとても悲しいです。

 

 イギリスの音楽メディアのmixmagによると、現在ナイトライフ協会の会長のアラン・ミラーが中心となって資金を募って上告に向けて動いているとのことです。ライセンスの延期が認められることを願っています。

mixmag.net